こんにちは!
ヒヨコ豆(@HiyoKomame_Dx)です🐤
今日は『部活はオワコンか?オワコンをツカコンに変える3つのポイント』というテーマでお話します。「学校の先生」向けのお話ですが、他のお仕事のあなたにも活かせる内容です。最後まで読んでいただけるとなまら嬉しいです!
部活はオワコンか?
結論から言います。「部活は"オワコン"です」。
(出典:スラムダンク)
「ブラック部活(動)」という言葉があります。これは、学校の部活をめぐり「長時間の厳しい練習に参加せざるを得ない生徒」と、「土日も返上で部活の指導を行う先生」の現状を「ブラック企業」に例えた言葉です。
確かに、生徒と先生の双方から悲鳴が聞こえているのが現状でしょう。部活は日本独特の仕組みであり、その原型が形づくられたのは戦後の学校教育改革においてでした。
この"昭和"の部活で育った先生が、自身の経験だけを元に指導することが「ブラック部活」に繋がっている最も大きな要因だと私は考えます。時代は"平成"、そして"令和"と変わっています。その時代の変化にともなって、人々の価値観も変わっていきます。
つまり、「"昭和”の部活を、そのまま"令和"に実践していることがオワコン」だということです。私は"平成"から"令和"にかけて20年以上、部活を指導してきました。その中で、部活の良さもなまら感じています。
このままでは「オワコン」である部活を、「ツカコン(使えるコンテンツ)」にするにはどうしたら良いでしょうか?
先生の視点から見たオワコン部活
先生の視点から見た部活のオワコンポイントは次のようなものがあります。
- 平日は残業、土日祝日は休日返上で指導しなければならない。
- 平日はボランティア、土日祝日は最低賃金以下の手当しかもらえない。
- 好きでもないジャンルの顧問を割り当てられる。
1 平日は残業、土日祝日は休日返上で指導
「学校の先生」の就業時間はおよそ8時〜17時で一般の会社員とさほど差はありません。授業が9〜16時の間で行われるため、部活はその後の16〜19時に行うことになります。毎日残業になるのが必然です。また、土日祝日は平日の時間不足を補うために長時間活動する部活も少なくありません。
2 平日は無給、土日祝日は最低賃金以下の手当
「公立の先生」は時間外勤務手当が支給されません。その代わりに「教職調整額」というものがあります。
時間外手当の代わりに、給料月額の4%を基準として、各都道府県の定める割合の金額を支給するもの。
例えば、基本給が300,000円の場合、一般の会社員の残業代は2,344円(目安)となります。公立の先生の基本給を同額だとすると、教職調整額4%は12,000円となります。この教職調整額を一般企業の残業代で割ると…約5時間分にしかなりません。
土日祝日の部活動手当は、2〜4時間で1,800円、4時間以上で3,600円です。都道府県によっては最低賃金を下回る場合もあるでしょう。
3 好きでもないジャンルの顧問が強制的に割当
あなたは「明日から経験や興味のないジャンルの部活で指導しなさい」と言われたら、どう感じるでしょう。
私は公立高校の先生になり、初任校に着任する際、教頭先生から「女子バスケ部の顧問をお願いします。」と言われました。
(出典:ONE PIECE)
私は着任時にはサッカー部の顧問となっており、難を逃れましたが、このような経験をした先生は少なくないでしょう。全員顧問制の学校がほとんどで、約50%の先生が経験のない部活の顧問を担当しています。
視点を変えると、私はこれらの課題を解決できれば、部活は「オワコン」ではなく「ツカコン」になると考えています。ここからは私が実践している『部活のツカコン化に必要な3つのポイント』をお話します。
オワコン部活をツカコンに変える3つのポイント
私の実践は「私立高校の部活」という前提があります。公立の先生からすると、現実とかけ離れていると感じるかもしれませんが、参考になる部分があるかと思います。ぜひ読んでください。
1 「顧問」ではなく、「指導者(コーチ)」として指導する
現在、私は非常勤の先生として働いています。学校とは授業をする"先生"と部活を指導する"部活動指導員"として契約しています。そして、それぞれの対価として給与をもらっています。
つまり、残業として部活の指導を担うのではなく、きちんとした業務として請け負っているのです。私が指導している高校サッカー部は、平日の活動時間が2時間以内、休日の活動時間が3時間程度です。週1〜2回の休息日を設けているので、週の指導時間は約12時間です。これは業務の時間なので、残業や休日返上ではなくなります。
公立の学校でも同じ仕組みが作れると私は思います。実際に、私の周りには公立の先生をしながら、クラブチームでサッカーの指導に携わっている方が多数います。彼らは、学校の先生の業務に影響を与えずに、活動しているのですから。そのクラブチームが学校の部活に変わるだけだと言えるでしょう。
2 指導の対価として報酬を支払う
私は指導している私立高校と月額で契約しています。公立中学校・高校には部活動指導員という制度があります。勤務実績に応じて時給1,600円が支給されます(勤務時間の上限はあります)。これを先生が担っても良いと私は思います。
私が指導している高校サッカー部は部員数がなまら多くいます。選手にとってより良い指導環境をつくるためには、指導者が何人も必要になります。彼らに支払う報酬の財源は学校の予算になりますが、残念ながら十分とはいえません。そこで、私たちは以下の方法をとりました。
- 受益者負担で選手から部費を徴収し、その一部を指導者の報酬に当てる
- 学校の施設を活用して収入を生み出す仕組みをつくる
特に、②が有効だと私は思います。学校の強みは「グラウンドや体育館といった施設があること」です。この施設を貸して賃料をもらったり、スクール活動などで会費をもらうなどして収入を生み出すことができます。これは公立の学校でもできる仕組みでしょう。
私はこの仕組みを"法人化"して実際に行っています。法人化して行うメリットはまた別の機会にお話します。
3 「顧問」と「指導者」を混同しない
部活の顧問の役割には以下の2つがあると考えられています。
- 部の管理
- 専門的な指導
前述のとおり、約50%の先生が経験したことのないジャンルの部活の顧問を担当しています。その先生が①と②の2つの役割を担うこと自体に無理があります。顧問の先生の役割は①部の管理のみとし、②専門的な指導を指導者(部活動指導員)に任せることで、業務とストレスの軽減につながるでしょう。
まとめ
今日はオワコン部活をツカコンに変える3つのポイントについてお話しました。
- 「顧問」ではなく、「指導者(コーチ)」として指導する
- 指導の対価として報酬を支払う
- 「顧問」と「指導者」を混同しない
どのような仕組みにも必ずメリットとデメリットがあります。それらは時代によって変化するものでもあり、メリットだったものがデメリットに変わることすらあります。
生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。
(チャールズ・ダーウィン)
大切なのは、変化に対応する力こそが、資本主義社会を生き抜く最強の力であるということです。良い部分は変えず、問題を解決していくことで、仕組みはより良いものに変わっていきます。何もせずに現状に嘆くのではなく、変えるために行動しましょう。これは、学校の先生だけでなく、みなさんに当てはまることです。それがあなたの豊かで幸せな人生につながるはずですから。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
読んでくださったあなたの心がスッと調いますように。
したっけね〜!